「A型事業所は休めない」はウソ!実情と休みたいときの対処法を解説

「A型事業所は休めない」はウソ!実情と休み方を解説

就労継続支援A型事業所(以下、A型事業所)への通所を検討している方の中には、障害や体調面での不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

もし体調が悪くなったら休めるのだろうか

雇用契約を結ぶから休めないのではないか

休みすぎてしまったら解雇されるのではないか

SNSや知恵袋での投稿や噂を見聞きして「A型事業所は休めない」「休みが少ない」というイメージや不安が湧き、利用をためらってしまうケースは少なくありません。

結論から申し上げますと、A型事業所であっても、体調不良や通院などの理由で休むことは十分に可能です。
むしろ、障害や病気への理解がある環境であるため、一般企業よりも柔軟な対応が期待できます。

しかし、A型事業所には「雇用契約」という法的な縛りがあるため、守らなければならないルールやマナーが存在することも事実です。

この記事では、A型事業所の「休み」に関するルールや実情について、詳しく解説していきます。

ご自身の体調や状況に合わせて、無理なく働き続けるためのヒントとして活用してください。

目次

就労継続支援A型事業所とは

就労継続支援A型事業所とは、全国におよそ4,000か所ある障害者総合支援法に基づく就労支援サービスの一つです。

一般には「A型事業所」「A型作業所」と呼ばれることが多いです。

一般企業での就労が困難な障害や難病のある方に対し、支援員のサポートのもと働く場所を提供して知識やスキルの向上のために必要な訓練を行います。

A型事業所の最大の特徴は、事業所と利用者が「雇用契約」を結ぶ点にあります。

それにより、都道府県ごとに定められた最低賃金以上の給料が保証されます。

「雇用契約がある」ということは、簡単にクビにはできない一方で、決められた勤務日や勤務時間を守る義務が発生することも意味します。

一般的には週5日、1日4時間〜6時間程度の勤務が求められるケースが多いです。

この「決まった時間に働きに行かなければならない」という点が、体調に波がある方にとって「休めないのではないか」というプレッシャーになっているようです。

A型事業所は柔軟に休める

「雇用契約があるから簡単には休めないのでは?」と不安に思うかもしれませんが、実際にはA型事業所は一般企業に比べて柔軟に休める環境が整っています。

なぜなら、A型事業所の利用者は何らかの障害や病気を抱えていることが前提となっているからです。

事業所側も、利用者の体調が変動しやすいことや、定期的な通院が必要であることを十分に理解しています。

そのため、「絶対に休んではいけない」というような厳しい対応をされることは基本的にありません。

ここでは、A型事業所における休みの取りやすさや、具体的な配慮について解説します。

柔軟な配慮がある

A型事業所では、利用者が長く安定して働き続けられるよう、様々な配慮がなされています。

まず、通院のための休みや遅刻、早退については、非常に寛容な事業所がほとんどです。

精神科や心療内科などは平日の日中に診察を行っていることが多いため、勤務時間と重なってしまうことは珍しくありません。

そうした場合でも、事前に相談しておけば、通院のために休みを取ることは問題なく認められます。

また、突発的な体調不良についても理解があります。

朝起きて体調が優れない場合や、気圧の変化で頭痛がする場合、メンタル面の不調で家から出られない日などもあるでしょう。

一般企業であれば「自己管理ができていない」と厳しく評価されることもありますが、A型事業所では「無理をして悪化させるよりは休んで回復させる」という考えをする場合が多いです。

勤務中に体調が悪くなった場合でも、休憩室で横になったり、早退させてもらったりといった対応がスムーズに行われます。

さらに、服薬の調整期間などで一時的に体調が不安定になる場合も、勤務日数や時間を一時的に減らすなどの相談に乗ってくれることがあります。

もちろん、業務に穴を開けてしまうことにはなりますが、スタッフがカバーできる体制を整えている事業所が多いです。

大切なのは、「休めない」と一人で抱え込まず、スタッフに正直に体調の状態を相談することです。

今日は少し辛いのでペースを落としたい

来週は通院で午前休が欲しい

といった相談をすることで、自分に合った働き方を調整していくことができます。

有給休暇

雇用契約を結ぶため、労働基準法などの労働関係法令が適用され、労働者としての権利も守られます。

「年次有給休暇(有給)」の付与もその一つです。

有給休暇を取得できる条件は、一般のパートタイム労働者と同じです。

付与される日数は、週の所定労働日数や労働時間によって異なります。

例えば、週5日勤務の場合は、半年後に10日間の有給休暇が付与されます。

週4日勤務などの場合でも、労働日数に応じた比例付与という形で有給休暇がもらえます。

有給休暇を使えば、給料が減ることなく休むことができます。

通院の日を有給休暇に充てることで、収入を減らさずに治療を継続している方もいます。

ただし、入社してすぐの半年間は有給休暇がないため、欠勤すればその分給料は発生しない点には注意が必要です。

無断欠勤はNG

A型事業所は障害への配慮があり、休みやすい環境であることは間違いありません。

しかし、いくら柔軟だと言っても、「無断欠勤」だけは絶対にしてはいけません。

無断欠勤とは、始業時間までに連絡を入れず、許可なく仕事を休むことです。

これは社会人として、また雇用契約を結んでいる労働者として、やってはいけない行為です。

事業所側は、利用者が来ることを前提にその日の仕事の段取りを組んでいます。

連絡なしに休まれてしまうと、業務の進行に支障が出るだけでなく、スタッフや他の利用者に心配をかけてしまいます。

また、A型事業所は就労継続支援の場であるため、無断欠勤が続き出勤率が著しく低いと、

就労の意欲がない

雇用契約を維持するのが難しい

と判断されてしまう可能性があります。

最悪の場合、契約解除(解雇)や、サービスの利用中止を提案されることもあり得ます。

もちろん、どうしても電話ができないほど体調が悪い時や、突発的な事故に巻き込まれた時などは例外です。

しかし、基本的には「休む場合は必ず事前に連絡する」というルールを徹底しましょう。

電話で話すのが辛い場合は、メールやLINE、チャットツールなどでの連絡を認めている事業所も増えています。

また、本人が連絡できない場合は、家族や支援機関の担当者から連絡してもらうという方法もあります。

どのような手段でも構いませんので、「今日は休みます」という意思を伝えることが、信頼関係を守る上で非常に重要です。

週5日働くのが難しい場合におすすめのサービス

A型事業所は魅力的ですが、雇用契約に基づく「勤務日数の確保」がプレッシャーになる場合もあります。

多くのA型事業所では週5日の通所が基本となっており、体調が不安定な方にとってはハードルが高いことも事実です。

休みがちになってしまい、職場に申し訳ない

毎日行かなければならないと思うと、余計に体調が悪くなる

このように感じてしまい、A型事業所での就労が辛くなってしまった場合は、無理をせずに別の選択肢を検討することも大切です。

自分に合わない環境で無理を続けることは、心身の健康を損なう原因になりかねません。

ここでは、週5日の勤務が難しい場合に検討すべき、2つの福祉サービスについて紹介します。

就労継続支援B型

就労継続支援B型事業所は、A型と同じく障害のある方が働く場所です。

A型事業所との大きな違いは、「雇用契約を結ばない」ため、労働基準法の適用を受けず、勤務日数や時間の決まりが非常に緩やかだという点にあります。

「週1回、1時間から」といった短時間の利用から始められる事業所が多くあります。

体調に合わせて自分のペースで通うことができるため、「休めない」というプレッシャーを感じることはほとんどありません。

当日の体調を見てから行くかどうかを決めることができる事業所もあり、精神的な負担はかなり軽減されます。

報酬(工賃)は、A型事業所に比べると金額は低くなりますが、まずは生活リズムを整えたり、日中の活動場所を確保したりする目的には最適です。

今は週5日働く自信がないけれど、社会とのつながりは持ちたい

自分の体調を最優先にしながら、少しずつ活動したい

という方には、B型事業所が非常におすすめです。

就労移行支援

就労移行支援事業所は、「働く場所」ではなく「一般就労を目指すための訓練校」のような場所です。

原則として報酬は発生しませんが、就職に必要なスキルやビジネスマナーを学ぶことができます。

利用期間は原則2年以内と決まっています。

就労移行支援の大きな特徴は、利用者の状態に合わせて通所スケジュールを柔軟に組めることです。

最初は週2〜3回の通所からスタートし、体調を見ながら徐々に日数を増やしていくという風にステップを踏むことが可能です。

スタッフと相談しながら、自分なりの「安定して通えるペース」を探っていくことができるのです。

就職活動の際には、スタッフが企業との間に入って、通院への配慮や勤務時間の調整などの交渉も行ってくれます。

今はまだ働く自信がないけれど、将来的には一般企業で働きたい

自分の体調をコントロールする方法を学びたい

という方は、いきなりA型で働くのではなく、就労移行支援で準備期間を設けるのも賢い選択です。

まとめ

本記事では、「就労継続支援A型事業所は休めないのか」という疑問に対し、事業所の仕組みや休みのルール、代替案などを解説してきました。

A型事業所は雇用契約を結ぶため、一定の責任は伴いますが、障害に対する理解や配慮があるため、一般企業よりも柔軟に休むことが可能です。

通院のための休みや、体調不良時の欠勤については、事前に相談すれば問題なく認められます。

また、条件を満たせば有給休暇も付与されるため、収入を気にせず休養を取ることもできます。

しかし、社会人としての最低限のルールとして、無断欠勤は避けなければなりません。

休む場合は必ず連絡を入れることが、長く働き続けるための信頼関係に繋がります。

もし、

どうしても週5日の通所が辛い

休みがちで辛い

と感じる場合は、無理をしないことが大切です。

まずは、お近くの事業所や相談支援事業所に見学に行き、実際の雰囲気や休みのルールについて相談してみることをおすすめします。

あなたが安心して、自分らしく働ける場所が見つかることを応援しています。

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この記事を書いた人

ココベース編集部のアバター ココベース編集部 「障がい者雇用サポーター」「精神・発達障害者しごとサポーター」

就労支援専門メディア「ココベース」の編集部です。利用者と事業所の間に立つ存在として、有益な情報を発信していきます。
筆者は、障がい者雇用支援センター認定の「障がい者雇用サポーター」です。厚生労働省の講座を受講した「精神・発達障害者しごとサポーター」でもあります。

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