就労継続支援A型事業所でいじめはある?実際のデータと対処法、安心して働くための事業所選びを徹底解説

就労継続支援A型事業所でいじめはある?実際のデータと対処法 安心して働くための事業所選びを徹底解説

就労継続支援A型事業所の利用を検討している方の中には、「いじめられたら嫌だな」「いじめられたらどうしよう」「利用者間の人間関係はどうなんだろう」と不安を感じている方もいるでしょう。

Yahoo知恵袋やSNSなどで悪い噂を目にすると怖い気持ちになりますよね。

人間誰しも新しい環境に飛び込む前は、馴染めるかや人間関係について不安に思ったりするのは当然のことです。

特に入所後は長い時間を過ごすことになるA型事業所を選ぶ際に慎重になるのはとても大事なことです。

この記事では、就労継続支援A型事業所におけるいじめの実態や、いじめを未然に防ぐための対策、そして万が一いじめに遭ってしまった場合の具体的な対処法を徹底的に解説します。

あなたが安心して自分らしく働ける環境を見つけるための一助となれば幸いです。

目次

就労継続支援A型事業所とは

就労継続支援A型事業所とは、全国におよそ4,000か所ある障害者総合支援法に基づく就労支援サービスの一つです。

一般には「A型事業所」「A型作業所」と呼ばれることが多いです。

一般企業での就労が困難な障害や難病のある方に対し、支援員のサポートのもと働く場所を提供して知識やスキルの向上のために必要な訓練を行います。

A型事業所の最大の特徴は、事業所と利用者が「雇用契約」を結ぶ点にあります。

それにより、都道府県ごとに定められた最低賃金以上の給料が保証されます。

A型事業所でいじめはある?データから実態を読み解く

結論から言うと、就労継続支援A型事業所でも一般企業や学校と同じように、いじめやハラスメントが発生する可能性はあります。

A型事業所は、他人と長い時間を一緒に過ごして協力しながら働く「職場」です。

職員や他の利用者と言った他人と深く関わり合いながら仕事を進める必要があるため、その分トラブルも起こりがちなのです。

厚労省のデータによると年に5,000件超の相談がある

気になるのは実際にどれくらいのいじめが発生しているのか?ですよね。

「何がいじめか」というのは人によって捉え方が異なり、残念ながら正確な数値をカウントするのは非常に難しいのですが、厚生労働省のデータで参考となる数値がありました。

こちらは障害者福祉施設従事者等による障害者の虐待をまとめたデータです。

あくまで参考数値になりますが、相談まで至っていないものも含めると一定数トラブルは発生していると言えます。

障害者福祉施設従事者等による障害者虐待
市区町村等への相談・通報件数5,618件
市区町村等による虐待判断件数1,194件
被虐待者数2,356人

※出典:厚生労働省「令和5年度都道府県・市区町村における障害者虐待事例への対応状況等(調査結果)について公表します

いじめを受けないためにはどうすればいい?

安心して働くために、いじめのリスクを減らしたり巻き込まれないようにするために利用者側でできる対策と、A型事業所を選ぶ際の注意点について解説します。

A型事業所選びが重要

そもそも、いじめなどのトラブルが発生してしまう主な原因はこちらです。

  • 障害特性によるコミュニケーションのすれ違い
  • 立場による上下関係の発生
  • 閉鎖的な環境でのストレス
  • 職員が業務過多なため、利用者同士の人間関係へのサポート不足

いじめのリスクを最小限に抑えるために最も重要なことは、上記にあてはまるA型事業所を避けることです。

良い事業所ならそもそもいじめのリスクが低いですし、状況が悪化する前に「距離を置く」という対応をとることができます。

たとえば、いじめの加害者と目線を合わせなくて済むよう、作業スペースの配置換えを職員に相談できたり、パーテーションで区切られた場所や加害者から物理的に離れた場所への移動を依頼することができるでしょう。

また、出勤・退勤の時間が同じだと、送迎時や休憩時間などに接触する機会が増えます。

加害者と勤務時間をずらす、休憩場所を加害者と変えたり職員がいる場所で過ごすといった柔軟な対応も検討できます。

A型事業所を選ぶ時のポイント

事業所選びの際のチェックポイントを具体的に紹介します。

見学・体験時に人間関係の雰囲気を確認する

職員の態度:利用者に対して、職員が平等で丁寧な言葉遣いをしているか、利用者一人ひとりの特性を理解しようとしている姿勢が見られるかを確認しましょう。

利用者の様子:利用者が作業中に笑顔を見せているか、適度な私語や交流があるか、逆に過度に緊張した雰囲気や、特定の利用者グループが固まって排他的な雰囲気を作っていないか、トラブルメーカーがいないかを確認しましょう。

作業中の環境:作業スペースが確保されているか、職員が定期的に巡回し、利用者の様子を観察しているかを確認しましょう。職員の目が届きにくい場所が多い事業所は注意が必要です。

トラブル時の対応マニュアル、相談体制について尋ねる

見学や面談の際に、具体的な質問をして事業所の体制をチェックしましょう。

具体的なマニュアルや明確な対応手順を答えられる事業所は、トラブルへの意識が高く、いじめ対策にも力を入れていると判断できます。

「利用者間のトラブル(いじめやハラスメント)が発生した場合、どのような手順で対応されますか?」

「相談窓口は誰になりますか?職員以外の第三者的な窓口はありますか?」

「職員の方々は、利用者の障害特性によるコミュニケーションの難しさについて、どのような研修を受けていますか?」

職員の配置人数を確認する

利用者数に対する職員の配置人数が多いほど、一人ひとりの利用者への目配りやサポートが手厚くなる傾向があります。

特に、職業指導員(仕事のスキル指導)と生活支援員(健康管理や相談対応)がバランス良く配置されているかを確認しましょう。

生活支援員が多い事業所は、人間関係や精神面のサポートに重点を置いていると言えます。

反対に職員の数が極端に少ない場合は、助成金目当てのひどいA型事業所の可能性があるので注意が必要です。

事業所の運営方針や理念を確認する

ホームページやパンフレットなどで、「利用者の尊厳」「人権の尊重」「チームワーク」といった理念が明確に掲げられているかを確認します。

事業所が利用者の「安心・安全」を最優先事項として掲げているか、そのために具体的な取り組みを行っているかを確認しましょう。

いじめを受けてしまった時の対処法

状況を分かりやすくまとめる

事業所選びや予防策を講じたにも関わらず、残念ながらいじめを受けてしまった場合は、一人で抱え込まずにすぐに相談することが重要です。

相談する際は相手が理解しやすいように、まずは以下のように状況をまとめましょう。

いつ (When)〇月〇日 〇時ごろ
どこで (Where)〇〇作業場で、休憩スペースで
誰から (Who)利用者Aさんから、職員Bさんから
何をされたか (What)悪口を言われた、無視された、物を隠された
なぜそう思うか (Why)私にだけ作業を教えない、いつも目を合わせてくれない
どのようにしてほしいか (How)配置換えをしてほしい、注意してほしい

他の人に相談して対処する

他の人も理解しやすいように状況をまとめることができたら、以下へ相談しましょう。

A型事業所の職員に相談する

事業所の職員は、利用者の安全を守り安定した就労を支援する義務があります。

まずは、最も身近で信頼できる職員に相談しましょう。

また相談する際は、相談日時、相談内容、相談相手、その場で職員から受けた回答や対応策を、必ず自分のノートなどに記録しておきましょう。

口約束だけでは、後で「聞いていない」と言われるリスクがあります。

もし相談したにも関わらず、職員が真剣に取り合ってくれない、または「あなたにも原因がある」といった不適切な対応をされた場合は、行政や第三者機関への相談に切り替えましょう。

行政に相談する

事業所の職員だけでは解決が難しい場合や、事業所自体が適切に対応してくれない場合は、行政が設置している相談窓口に連絡しましょう。

行政の相談窓口は住んでいる場所や通っているA型事業所の場所によって異なるので、事前にインターネット等で調べてから相談してみましょう。

行政の相談窓口詳細
自治体の障害福祉担当窓口(市役所・区役所など)・お住まいの地域を管轄する市役所・区役所の障害福祉課や福祉サービス担当課が、A型事業所の監督指導権限を持っています。
・「〇〇A型事業所でいじめを受けているが、事業所が対応してくれない」と具体的に伝えましょう。
・自治体は、事業所への指導や監査を行う権限があるため、事業所へ直接、事実確認や改善指導を行うことができます。
都道府県の障害福祉課・市町村に相談しても解決しない場合や、より上位の指導を求める場合は、都道府県の障害福祉課が窓口となります。
・事業所に対して強い指導力を発揮できるため、迅速な問題解決につながる可能性が高まります。
・いじめの状況を行政が把握することで、事業所の運営体制の改善や、指定取り消しといった、より重い処分につながる可能性もあります。
基幹相談支援センター
障害者相談支援事業所
・地域の障害を持つ方の生活全般の相談を受け付けている公的な窓口です。A型事業所の利用に関する相談や、他の事業所への移行の相談にも乗ってくれます。
・いじめの問題についても、中立的な立場で話を聞き、今後の最善の対応策(事業所との話し合い、行政への連携など)を一緒に考えてくれます。
地域障害者職業センター ・ハローワークと連携し、障害者の就労に関する専門的な支援を行う機関です。
・就労を継続するための環境調整や、いじめによるストレスの対処法など、職業生活全般に関するアドバイスを受けることができます。

第三者に相談する

事業所や行政以外にも、あなたの味方になってくれる第三者的な相談窓口があります。

おすすめサービスはこちらです。

第三者相談先おすすめサービス詳細
弁護士法テラス・いじめの内容が、暴行、名誉毀損、器物損壊など、犯罪行為や違法行為にあたる場合や、事業所や加害者への損害賠償請求を検討したい場合に相談します。
・法テラス(日本司法支援センター)では、経済的に余裕がない方でも弁護士への相談が利用できる制度があります。
オンラインカウンセリングkimochi・自宅にいながらスマホやPCで専門のカウンセラーに相談できるオンラインカウンセリングサービスです。
・いじめによる精神的な苦痛が大きく、まずは心の整理をしたい方、第三者に話を聞いてもらうことで安心感を得たい方におすすめです。
・24時間いつでも予約が可能で、対面での相談に抵抗がある方や、事業所の外で気軽に相談したい方に適しています。

別のA型事業所の探し方

相談したけれどいじめが解決しない、事業所の対応に納得がいかない、また、単純に加害者と同じ事業所で働き続けることが苦痛に感じることもあるでしょう。

その場合は、別のA型事業所に移るという選択肢も真剣に検討してみましょう。

あなたの心身の健康と、安定した就労を続けることが最優先です。

ここでは、安心して働ける次のA型事業所を見つけるためのおすすめサービスを紹介します。

事業所を移ることは、決して逃げではありません。いじめやハラスメントが横行している劣悪な環境で働き続けることは、あなたの症状を悪化させ、最終的に就労そのものを諦めることにつながりかねません。

「安心して働ける場所を探す」という強い意志を持って、前向きに事業所変更を進めましょう。退所の意志を伝える際は、感情的にならず、「一身上の都合」など、差し障りのない理由で伝えることをおすすめします。

まとめ

就労継続支援A型事業所でのいじめは、残念ながら起こり得る問題です。

しかし、そのリスクを理解し、適切な対策と知識を持つことで、あなた自身を守り、安心して働き続けることは十分に可能です。

就労継続支援A型事業所での就労は、社会参加への大切な一歩であり、あなたの能力を発揮し、自信を育む機会となるはずです。もし今、いじめや人間関係で悩んでいるなら、決して一人で抱え込まず、この記事で紹介した相談窓口を頼ってください。

あなたは、安心して自分らしく働ける場所を選ぶ権利を持っています。前向きな一歩を踏み出すことを応援しています。

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この記事を書いた人

ココベース編集部のアバター ココベース編集部 「障がい者雇用サポーター」「精神・発達障害者しごとサポーター」

就労支援専門メディア「ココベース」の編集部です。利用者と事業所の間に立つ存在として、有益な情報を発信していきます。
筆者は、障がい者雇用支援センター認定の「障がい者雇用サポーター」です。厚生労働省の講座を受講した「精神・発達障害者しごとサポーター」でもあります。

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